突然ですが、あなたは500年前のスイカを見たことがありますか?
もちろん私を含めてないはずなんですけども(笑)
今、私たちが食べているスイカは、丸々としていて、果肉が赤くてやわらかいスイカが当たり前となっていますよね。
では、今から約500年前のスイカはどんな見た目をしていたのでしょう?
昔のスイカの見た目について、詳しくご紹介していきましょう!
まるで悪魔の実?500年前のスイカ
私もこの記事を書くにあたって調べていると、当時のスイカの絵を見つけたのですが、今のスイカとは全く別物で驚きました・・・。
今のスイカは、きれいな赤色の果肉があり、その中に種が入っているような見た目です。
しかし、当時の絵に描かれていたスイカは、果肉のほとんどが白っぽい色をしていて、さらに種も剥きだしの状態で、なんだか禍々しくもある見た目がとても印象的でした。
その絵を描いたのは、17世紀ごろの画家である、ジョバンニ・スタンキという方が、1645年~1672年の間に描いた絵で、その絵の中には他のフルーツや野菜なども描かれていますが、ひと際スイカのインパクトが強く、現代ではとても見られないようなスイカがそこにはありました。
スイカの維管束がぐるぐると渦巻いているところが表面に出ていて、スイカというより、なんだか漫画のONE PIECEに出てくるような、まるで【悪魔の実】のような感じですね・・・(率直な感想は「不味そう・・・」といった感じです;苦笑)
なぜ、昔のスイカはそんな見た目だったのか?
上述にもありますように、他のフルーツもその絵に描かれていたのですが、モモやナシなどのフルーツは今とあまり変わりがないどころか、今と全く同じような形・色でした。
ではなぜ、スイカだけがこんなにも今のスイカと違いがあるのか、気になりましたので調べてみました。
こういった世にも奇妙なスイカが出来た理由としては、土壌の水分量が多かったことが原因だといわれています。
スイカはとても水分に敏感な食物で、育つ過程で土壌の水分量が過多になると、果実に栄養や水分を循環させるための「維管束」という機能の管が広がっていき、今でいうスイカの食べられる(真っ赤な果肉)部分が、ぐるぐる巻きの管が渦巻いているような模様になってしまったそう。
ただ、当時のスイカも、リコピンという果肉を赤くする成分が少なかっただけで、糖度は十分にあり、甘かったため、今と変わらず生で食べられていたり、ときには発酵させてワインにしていたという情報もありました。
ですので、決して不味いといったワケではなかったようです。
度重なる品種改良
最初はアフリカ・エジプトなどの砂漠地帯の暑い地域での栽培がはじまり、その後、中東やヨーロッパへ渡り、菜園や市場などで約1600年ごろには一般的な食べ物になったとされているスイカ。
でも、このままでは売れないと思ったのか、まずはその白い果肉をより赤くするため、リコピンの含有量を数百年かけてを増やすことに成功し、さまざまな試行錯誤が現在まで続いた結果、今のようなみずみずしい、真っ赤で美味しそうなスイカができたと言えますね。
近年ではスイカの種までなくそうとする試みもあったことから、現在ではその甲斐あってか、種のない食べやすいスイカも売られていますね。
植物の形や味を変えるなんて、人間の努力や知恵ってすごいですね。
今の美味しいスイカは先人の努力の結晶
いかがでしたでしょうか?
今、私たちが食べている、真っ赤で甘くて美味しいスイカは、このような努力と試行錯誤の上に成り立っているなんて、ふつうは知らないものですし、あまり普段は考えたりもしないですよね。
さらに今ではふつうのスイカだけではなく、試行錯誤を重ねて、甘くて美味しいブランドスイカまでがインターネットで購入することが出来るので、なんとも便利な時代になりましたね!
<参考サイト>(アクセス日:2020/07/26)
http://karapaia.com/archives/52197780.html