こんにちは。奈良farmの奈良太熙と申します。
この度は、奈良farmのスイカをご注文いただき、ありがとうございました。
2020年6月25日頃より発送予定となっている、奈良farmの『サンブラックスイカ』につきまして、ご注文いただきました一部のお客様に対し、今年の分の発送ができない状況にございますことをご報告いたします。
春先から楽しみにご注文いただきました、全てのお客様に深くお詫び申し上げます。
原因と、今後の対応につきまして、本記事にまとめておりますので最後までご覧ください。
本年度収穫分の発送不可の原因について
今回の発送が出来ない件につきまして、上記画像の通り、スイカの生育段階で畑に病気が発生してしまったことが原因となります。
奈良farmで今回発覚した病気は、
「うどん粉病」(うどんこびょう)と、
「スイカホモプシス根腐病(すいかほもぷしすねくされびょう)」でした。
“うどん粉病”とは、スイカの葉や葉柄、つる、果実に、
白い粉状の菌糸が発生する病気です。
“スイカホモプシス根腐病”とは、土の中にいる病原体がスイカの根っこから侵入し、
収穫直前に急速に枯れていく病気です。
今回、この2つの病気が畑で併発したことにより、
収穫直前のスイカがみるみるうちに病気に侵されてしまい、
私どもの納得のいくスイカを収穫することができない状況となりました。
病気の発覚と経緯
今年も例年通り、1月から父と共にスイカを育ててきました。
病気に対する対策もしっかりと行っており、準備は万全でした。
予約販売からご注文いただいた皆様のことを思い浮かべながら、日々栽培に取り組んで参りました。
しかし、定植から1ヶ月後に、うどん粉病の菌の発生が確認されました。
うどん粉病の発生は予期していたので、速やかに防除を行いました。ですが、今年のうどん粉病は例年になく異常に菌が強く、適切な防除を行っても菌が死なず、千葉では1週間以上続く雨で菌の繁殖が抑えられなかったことが要因となり、スイカが弱る原因となってしまいました。
うどん粉病だけであれば、適切な対策を十分に行うことで、
なんとか収穫まで持たせるための対処をすることができました。
しかし、収穫が近づくにつれて、想定以上にスイカの「樹」が弱り始めたため、他の病気を疑って検査をしていると、
その間に急速に「樹」が衰えていき、みるみるうちに枯れ上がってしまいました。
スイカホモプシス根腐病が原因でした。
収穫ギリギリまで色々な対策を講じましたが、防除が菌の繁殖スピードに追いつかず、このような結果になってしまいました。
本来なら280玉収穫できる予定でしたが、今回収穫できたのはたったの20玉しかありませんでした。
そのため、予めご予約いただき、楽しみにされていたお客様の期待を裏切ってしまう結果となりました。大変申し訳なく、悔しい気持ちでいっぱいです。
今後の対策
うどん粉病につきましては、
育苗初期の段階での封じ込めが重要ですので、
うどん粉病の予防と、本年より早い段階での防除を徹底します。
ホモプシス根腐病に付きましては、
例年以上に徹底して土壌消毒を行います。
さらにホモプシス根腐病に耐えうるような台木の選定を進めます。
お客様へ
ご予約して頂いたお客様ひとりひとりに、「夏の美味しいスイカをお届けしたい!」と気合いをいれて今年の1月から作ってきました。
それが今回の土壌病害と、菌の病気によって、お届けできなくなったと思うと、私も本当に悲しい思いでいっぱいです。
そして、ずっと待ち続けてくれるお客様へすぐにスイカを届けられないというのが、すごく悔しいです。本当に申し訳ございません。
今年、楽しみにされていたお客様も多くいらっしゃると思います。
そんな中、大変恐縮なお願いであることは理解しておりますが、
もし可能であれば、来年まで発送をお待ちいただけますと幸いです。
いちスイカ農家のプライドとして、お客様に必ず美味しいスイカをお届けしたいと考えております。
本年のリベンジの機会をいただけますと幸いです。
奈良farm 奈良太熙